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厚生年金基金のAIJ事件

代々木公園から15分の税理士・会計事務所、

吉田一仁税理士事務所です。

本日は、厚生年金基金のAIJ事件についてお話したいと思います。

運用を委託した企業年金資産約2000億円の大半が消失していたAIJ投資顧問会社の問題が、

大きく報じられています。

「老後の支えとなる年金が目減りしてしまうかもしれない」という事態に波紋が広がっています。

厚生年金基金の年金資産は、公的年金に上乗せする積立金です。

厚生年金基金は、中小企業の同業種の企業が集まって作っている「総合型」基金が

全体の7割強を占めています。

積立額の不足が発生すると、母体企業は年金給付に必要な不足分を穴埋めしなければなりませんが、

総合型は経営体力が乏しいため問題解決が容易ではありません。

将来、給付の減額や保険料の値上げ等が起こるかもしれません。

AIJが高利回りをうたっていたのは、基金から預かったお金を租税回避地・タックスヘイブン

(本国の監視の目が届かないため、税金が非常に安い地域)のファンドに

投資していたからだと言います。

運用の失敗か流用か、監視委も実態把握が難しいようです。

そもそも厚生年金基金が高い収益のありそうなところに資金を預けたのは、

基金の年利は5.5%で運用することとなっているからです。

今の経済状況では、5.5%で運用するところがないのです。

いまだに高度経済成長期の利率で給付すれば、高齢化が進む中

積み立て不足が増えるのは当然です。

現在の利率は高いため、AIJに預けていた基金だけの問題ではないといえるでしょう。

中小企業がコツコツと積み立てをしてきた年金資金が消失した事態は、

これからの年金受給者の生活にも影響が及びそうです。

AIJに委託していた基金は、94基金で9割が中小企業の集まっている総合型基金です。

資金力のある大企業等の単独型基金は、厚生年金の代行返上で積立不足を補い、基金を解散して、

利率を下げた上で確定給付企業年金や確定拠出年金に移行しています。

以前は1900もあった厚生年金基金は、現在595基金となっています。

積立不足があると厚生年金資金を切り離すこともできず、財政難の基金は

高利回りの投資に走りやすくなってしまうという悪循環があります。

自社が基金に加入している時は年1回以上、「企業年金便り」等で

積立金の状況を開示していますので、確認してみるのがよいでしょう。

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