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総額主義

用賀から6分の税理士・会計事務所、

吉田一仁税理士事務所です。

本日は、総額主義についてお話したいと思います。

法律の建前では、何度でも更正の請求や更正処分ができることになっています。

しかし、期間制限の範囲内ということなので、従来は更正の請求期限が1年と短期だったことから、

何度もの更正の請求はありえなかったし、それに対応する更正処分が何度も行われるということは

滅多にないことでした。

ただし、2011年12月の法改正で、その期間が最低5年に延びたので、建前だけでなく、

何度もの更正の請求や更正処分が現実味を帯びるようになってきました。

税務署長の更正処分は、過去の申告や更正・決定を白紙にもどした上で、

あらためて税額を全体として確定しなおす行為であると言われています。

これを“総額主義”の効果といい、そして、新たな更正処分がなされると、

過去の申告や更正・決定の効力はそこまでで消滅し、新たな更正処分のみが

法律効果を持つことになり、これを“吸収説”の効果といいます。

ところで、税務訴訟での判決も、同じように総額主義的に税額全体を確定し直し、

吸収説的に過去の申告・更正・決定の効果を消滅させる効果をもちます。

ただし、判決が確定すると、期間制限内ではあっても、それ以上の更正の請求や

更正処分ができなくなり、最終的な確定となります。

ちなみに、不服申立てでの異議決定や裁決は、税務当局を拘束する効果はあるのですが、

判決とは異なり、再更正処分を強制する効果に過ぎず、別な事案であれば、

再々更正処分が可能で、最終的な確定とはなりません。

「最終的な確定」すなわち、それ以上の更正処分があり得なくなるという法的効果を得るためには、

税務訴訟にして確定させればよいわけです。

申告内容に当局と大きく揉めそうな問題点(例えば、移転価格税制など)を含んでいるとした場合、

小さな問題で更正の請求をして、減額更正しない処分を出させて、不服申立てをすることになれば、

訴訟の勝ち負けに拘わらず、訴訟が終わったところで、最終確定となり、揉めそうな問題点が

当局にとっていつの間にかアンタッチャブルとなってしまいます。

期間制限の延長効果と総額主義の法的効果が交錯するところには、

税務行政を翻弄させる新しいテクニックが生まれそうです。

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