世田谷区三軒茶屋の吉田一仁税理士事務所へのお問い合わせは 03-6433-5070

節税以上にあなたの手元にお金を残すしくみを提供します!

振込め詐欺と税

代々木八幡から15分の税理士・会計事務所、

吉田一仁税理士事務所です。

本日は、振込め詐欺と税についてお話したいと思います。

平成20年中に、いわゆる振り込め詐欺の被害に遭い、だまし取られた金額分の損失が

雑損控除の対象になるとして、税務署と国税不服審判所で争った人がいました。

長男と名乗る氏名不詳者から電話で「勤務先の金を流用したので、穴埋めするための金が

必要である」旨のウソを告げられ、電話の相手方が長男本人であり、金を必要としているもの

と誤信し、郵便局から電話の相手方が指定した銀行口座に240万円を振込送金しました。

さらに、翌日と1週間後にも電話でのウソに乗じて、260万円及び320万円、合計820万円を

振込送金し、その後にだまし取られたことに気付き、警察署に被害届を提出した

という事例です。

税務署の主張と審判所の裁決は、以下の通りです。

・「災害」による損失には、本人の意思に基づく行為によるものは該当しない

・「盗難」とは、占有者の意に反する第三者による財物の占有の移転をいう

・「横領」とは、財物の委託者と受託者との間に信任関係があることが前提で、

振り込め詐欺犯との間に信任関係はない

よって、本件が雑損控除の対象となる「災害」「盗難」「横領」のどれにも当たらない

と税務署側が主張し、かつ、また審判所も同じ判断をしました。

一方納税者は、以下のように主張しました。

・振り込め詐欺は、病んだ現代社会が生み出した人為による異常な災害」であり、

国税庁が雑損控除の対象であるとした、耐震強度偽装事件が建物販売会社の詐欺行為

(販売)に基因していることと共通面があり、これと同じく取り扱ってもおかしくはない。

・長男に渡すつもりで振り込んだ金銭について、それだけで所有権の移転がないとすれば、

たまたまそれを管理している者が横取りしたのであるから、「横領」に当たる。

・振り込んだ金銭について、本人の意に反してただちに所有権の移転があるとするなら、

それは「盗難」に当たる。

裁決書を読む限りでは、結論先にありきで、納税者の主張への十分な吟味を

しているようには見受けられません。

社会安寧の確保が国家の義務であるとしたら、新しい犯罪により

高齢年金者が狙われることに対し、もっと配慮があってもよいのではないでしょうか。

ページの先頭へ