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無対価の適格組織再編

青山一丁目から10分の税理士・会計事務所、

吉田一仁税理士事務所です。

本日は、無対価の適格組織再編についてお話したいと思います。

株式価値の高い父親経営の同族会社を、息子が新規の会社を設立し、そこに吸収合併させ、

無償消滅させてしまうという相続対策は、適格組織再編として課税関係が生じませんでした。

この行為は、無対価組織再編といわれるものです。

100%親族グループの場合での適格組織再編の要件は、株式以外の資産の交付がないこと

というのがほとんどの内容です。

そうすると、株式そのものの交付もしない『無対価』の組織再編は、

この要件からして「適格」に該当してしまいます。

大会社のグループ内再編では、無対価組織再編は通常のことで、会計基準もあります。

ただし、税法については特に規定がありませんでした。

平成22年の改正によって、はじめて『無対価』という明文の規定創設がされたところです。

平成22年の創設規定は、それまで野放しだった無対価の適格組織再編について、

その要件を厳しく制限しました。

制限外のものは、その後は非適格になることになりました。

その境目は、通常の適格組織再編ではあり得ないといわれていた非按分型

(株主構成が変わる)適格組織再編が、実質的に可能になっていたところの遮断でした。

改正規定中の最も典型的なものは、「一の者」という言葉です。

これに触れている解説書は皆無だったのですが、

この言葉は法律と政令に100回近く出現します。

平成22年改正前の法律では例外なく、個人の場合は「一の者」の後に( )書きをつけて、

同一親族グループを意味するものにしていました。

それ以後の法律では、組織再編の場面ではことごとく( )書きのない

「一の者」になっています。

まったく説明されてこなかったところなのに、改正から2年経過した今年の3月に

国税庁は突然ホームページで、質疑応答事例として

「無対価合併に係る適格判定について(株主が個人である場合)」を公表して、

「一の者」に掛る( )はずしの意味を解説しました。

多くの無対価組織再編の事例の中で、実際に非按分型を実行した例は、

極く少数だったと思われます。

意識的に節税策に使われる前に、ほとんど未知のまま封じ手を打ったことの

解説のように見受けられます。

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