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社員権の差異

代々木公園から15分の税理士・会計事務所、
吉田一仁税理士事務所です。

本日は、社員権の差異についてお話したいと思います。

社員と言えば、一般的に社団法人等の構成員を指します。

株式会社では「社員=株主」、持分会社でも「社員=出資者」、
中小企業等協同組合であれば「組合員=出資者」です。                  

しかし、持分の定めのある医療法人にあっては、必ずしも「社員=出資者」ではありません。

社員たる地位、いわゆる社員権は、社団の特殊性によりその権利に差異があります。

社員権には、一般的に共益権と自益権があると言われています。

前者は議決権であり、後者は配当請求権・残余財産分配請求権・持分の払戻し請求権等です。

この社員権は、一定の制約はあるものの
それ自体譲渡等の対象となって、投下資金の回収や所得等をももたらします。

それ故、その地位は相続税・贈与税の課税の対象になります。

持分の定めのある医療法人の出資者としての社員権は、特殊です。

医療法人の社員権・共益権は一身専属でその譲渡はできず、
譲渡できるのは自益権(出資持ち分)だけです。

もちろん、その譲渡はまったく自由で、
非公開株式会社や持分会社・協同組合等のような制限はありません。

また、医療法人は剰余金の配当が禁止されていることから、
持分の定めのある医療法人の社員である者の出資の財産権は、
持分の払戻し請求権と残余財産分配請求権だけです。

この持分の払戻し請求権は、社員資格を喪失(退社・死亡)した時に
請求することができます。

また、社員の死亡の場合は、その相続人は「出資持分」を相続することに代えて
「払戻し請求権」を相続することもできます。

この払戻し請求権の時効は、10年です。

一方、非社員の出資者には持分の払戻し請求権はなく、残余財産分配請求権のみです。

したがって、その相続人は、その出資持分たる残余財産分配請求権のみを相続するだけです。

医療法人が解散しない限り、その価値は実現しません。

まさに、社員か非社員かでその取扱い雲泥の差です。

にもかかわらず、社員と非社員のその出資持分の相続税・贈与税の評価額は同じです。

非社員の相続人がその財産権を復活させるためには、社員となるか、
それとも出資持分を当該医療法人の社員に譲渡する以外にないようです。

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