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後条優先の原則

代々木公園から15分の税理士・会計事務所、
吉田一仁税理士事務所です。

本日は、後条優先の原則についてお話したいと思います。

所得税法第5条(納税義務者)は、「居住者はこの法律により所得税を納める義務がある」
と規定しています。

所得税法第7条(課税所得の範囲)では、「非永住者以外の居住者に対しては、
すべての所得に課税する」としています。

したがって、通常の日本人ならすべての所得に課税なのですが、
第9条(非課税所得)で「次に掲げる所得については所得税を課さない」としています。

矛盾しています。

そして、第9条の16号で「相続・遺贈・贈与に係るものは所得税非課税」と規定していながら、
第60条で「相続・遺贈・贈与に係るものは被相続人・遺贈者・贈与者の所有期間を引き継ぐ」
として、第9条で非課税としたことを無視し、矛盾した関係になっています。

「第〇条の規定に拘わらず」との前置きがあれば、優先劣後の関係が明確になり、
矛盾がないのですが、先の「7条と9条」「9条と60条」には、
矛盾を排除する前置きがないので、矛盾したままです。

もし後条優先の原則というものがあるとしたら、先にある条文に対して
後ろにある条文を優先して適用することになるので、矛盾は解消します。

第9条の非課税規定と第60条の譲渡益課税規定を矛盾なく両立させるべきで、
「相続時課税額を超過する部分のみ譲渡益課税の対象になるべき」と主張して
訴訟していた事案で、地裁の判決がありました。

判決は、「第9条と第60条を両立させることは、事実上第60条をおよそ適用の余地のない
条文化することになるが、そのようなものとして定めているとは考え難い」として、
後条優先の原則があるかのような結論にしています。

しかし問題なのは、平成22年7月の最高裁の相続年金二重課税禁止判決です。

後条優先の原則を採らずに、9条非課税と年金所得課税を両立さる判決でした。

最高裁は、「相続税・贈与税と所得税は二重課税となってよいのだとの原理を否定し、
二重課税は排除されるべき」との原理に立って判決したため、譲渡所得課税と9条非課税とを
両立させるべきとの主張は、起きるべくして当然に起きてきたのです。

後条優先の原則があるとすれば、最高裁も事態を複雑にしなかったと思われます。

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