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住所と住民票の関係

用賀から6分の税理士・会計事務所、
吉田一仁税理士事務所です。

本日は、住所と住民票の関係についてお話したいと思います。

住所の決定については、各人の実質的な生活場所を住所とする実質主義と、
住民票所在地を住所とする形式主義があります。

民法は、「各人の生活の本拠をその者の住所とする」としています。

生活の本拠の判定については、定住事実によるとする客観説と、
定住意思を重視する主観説があります。

公職選挙法は、実質主義・客観説に基づきます。

地方議会議員の被選挙権者は年齢満25歳以上で、
その自治体に3ヶ月以上住所を有する者とされています。

平成24年に埼玉県新座市で、以下のような事件がありました。

住民票を移して3ヶ月経過後に市議選に立候補して当選したものの、
市民から選管に「居住実態がない」との異議申立があったことを受け、
選管調査により当選無効の決定をしたという事件です。

住民税の納税地を変更する目的で、住民票を長野市から泰阜村に異動した
田中康夫氏の事件は有名です。

事件が紛糾中に、長野市が住所のある地として選挙人名簿に田中氏を登録し、
泰阜村に対し二重登録抹消を求めて争訟し、実質主義・客観説を論拠に勝訴しました。

ただし、住民票の異動や住民税の納税地の適否については検討されていません。

実際に住民票と異なる住所での確定申告をすると、住民税部分の用紙は
住所地の市町村から住民票所在の市町村に移送されて、
住民票所在地の市町村が課税しています。

住民税課税の実態は、形式主義です。

65歳以上の介護保険や75歳以上の後期高齢者保険も、同じで形式主義の実態があります。

所得税や相続税の通達では、「生活の本拠は客観的事実による」と
実質主義・客観説の原則を示しています。

しかし、住宅ローン控除や居住用財産の譲渡の特例の適用では、
単身赴任地がその者の客観的な生活の本拠地であっても、
住民票のある家族の在住地をその者の生活の本拠地とすることを容認しています。

形式主義・主観説の採用と言えます。

住民には、14日以内の転入転居届や転出届義務があり5万円以下の過料が課されたり、
届出懈怠で住民登録が職権消除となることも稀にはあります。

しかし、国会議員が選挙区に住民票をおいたり、都市学生が地方の親元に住民票をおいたり、
単身赴任その他住民票の適正な異動は軽視されており、当局も形式主義の惰性を好んでいます。

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