【この記事は加筆・修正を加え、2023年3月10日に最新版に更新されました】
「経理業務をもっと効率化したいけど、経理の効率化って難しそうだな…」
経理業務の効率化に対して、このように難しく考えていませんか?
実は経理業務の効率化は、それほど難しいことではありません。
なぜなら、会社内ですぐに効率化できることやツールなどを導入するだけで簡単に効率化できることがたくさんあるからです。
そこで本記事では、会社内で経理業務を効率化する方法からツール・外注を利用して効率化する方法まで様々な方法を網羅的にまとめました。
取り組みやすい方法から試しに取り組んでいき、少しずつでも経理業務の効率化を進めていってください。
経理業務の効率化は、一度仕組みさえ作ってしまえばその後も継続して効果が得られます。
単に経理担当社員の負担を軽減するだけでなく、会社全体の負担(お金・時間など)を軽減するためにも今すぐできることから始めていきましょう。
目次
まずは、会社内の取り組みで経理を効率化する方法を5つ紹介していきます。
会社内で行う経理業務の効率化は、いずれも社員1人の力だけでは行えません。
会社全体の仕組みそのものを根本から変えることが必要だからです。
既存の仕組みを変えてまで経理業務を効率化することは、最初は時間がかかります。
しかし、一度仕組みさえ作ってしまえば、今後の負担がずっと軽減します。
未来のための先行投資だと思って、勇気を持って会社の仕組みを大胆に変えることが、経理業務の効率化の第一歩です。
会社内で経理業務を効率化する方法の1つ目は、領収書を封筒にまとめることです。
当たり前のことですが、領収書には保存義務があります。
しかし、領収書の整理については具体的に義務付けられているものではありません。
つまり、糊付けしてからノートに整理するなどといった従来の方法で領収書を保存する必要はないということです。
そのため、領収書は封筒などにまとめて保存しておくのが良いでしょう。
具体的には、週ごとに小さい封筒に分け、月単位で大きい封筒に分けるなど、会社内で事前にルールを決めておくのがポイントです。
会社内で経理業務を効率化する方法の2つ目は、小口現金をやめることです。
小口現金は、日々の細かい支払いなどに充てられるのでとても便利です
しかし、盗難や紛失のリスクがあることや仕訳や領収書の管理に手間がかかるため、経理を効率化したいのであれば小口現金の利用はおすすめできません。
そこで、経理を効率化したい会社は、思い切って小口現金をやめてみるのが良いでしょう。
小口現金をやめることで以下の3つのメリットが得られるからです。
小口現金を利用している会社は、経理を効率化したいのであれば小口現金をやめて、会計ツールや代行業者を活用を検討しましょう。
会社内で経理業務を効率化する方法の3つ目は、法人クレジットカード・デビットカードを利用することです。
上記2つ目の方法で「小口現金をやめたらどうやって経費を立て替えればいいの?」と疑問を感じた方もいるかもしれません。
そこで、法人クレジットカード・デビットカードの出番です。
法人クレジットカード・デビットカードを使うと、いちいち経費精算をする必要がありません。
また、法人クレジットカード・デビットカードなどの利用によって会社内でキャッシュレス化が進むと、さらに経理業務が効率化できます。
最近は、現金でしか行えない取引が減りつつあります。
「法人クレジットカード・デビットカードを使ったことがない」「持ってはいるけどあまり利用していない」という会社は、これから積極的に活用していきましょう。
会社内で経理業務を効率化する方法の4つ目は、インターネットバンキングを利用することです。
従来は通帳記帳や振り込みなどを行うために、わざわざ実際に銀行に行く必要がありました。
しかし今は、銀行に頻繁に行く必要はありません。
インターネットバンキングを利用すればいいからです。
インターネットバンキングを利用すると、たくさんのメリットがあります。
まだインターネットバンキングを本格的に活用していない会社は、時間をかなり無駄にしています。
経理をできる限り効率化し、本来時間を使うべき業務に集中しましょう。
会社内で経理業務を効率化する方法の5つ目は、経理業務を1人にすべて任せないことです。
「うちみたいな小さな会社で経理業務を1人で行わないのは、逆に効率が悪いのでは?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
なぜなら、1人だけのチェックでは処理などのミスに気付けないからです。
経理業務はお金に関する重要な数字を扱うので、非常に神経を使います。
そのため、経理業務にミスはつきものです。
しかし、経理業務を1人ですべて行っていてはそのミスに気付けません。
ですので、会社内で別の人に二重チェックしてもらったり、経理業務の一部を外注したりするなどして、2人以上で管理する仕組みを作るのが大切です。
ただ、中小企業が経理専門の社員を2人以上雇用するのは現実的ではありません。
外注するなどして、内部からの監視の目だけでなく、外部からの監視の目を有効活用しましょう。
次に、ツールを利用して経理業務を効率化する方法を3つ紹介します。
ツールを利用する効率化は、比較的手軽に取り組める方法が多くあります。
今すぐできる方法から始めてみましょう。
ツールを利用して経理業務を効率化する方法1つ目は、Excel・Googleスプレッドシートを使いこなすことです。
経理業務にExcelやGoogleスプレッドシートを使っている会社は多いと思います。
しかし、実際にはうまく使いこなせていない会社が多いのが現状です。
具体的には、Excel・Googleスプレッドシートで作成できるはずの精算書・請求書・見積書などを未だに紙ベースで作成していたり、ショートカットキーを使いこなせていなかったりすることが挙げられます。
経理を効率化するためだけではなく、書類の紛失リスクを減らすためにも、ITツールは積極的に活用していきましょう。
ご参考までに、Excel・Googleスプレッドシートのショートカットキーのリンクを貼っておきます。
1つでも利用できるところがあれば利用してみましょう。
参考:Excel のキーボード ショートカット|Microsoft
参考:Googleスプレッドシートのキーボード ショートカット|Google
ツールを利用して経理業務を効率化する方法2つ目は、デュアルディスプレイを導入することです。
デュアルディスプレイとは、1台のパソコンに2つのモニターを接続することです。
「それで効率が上がるの?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、デュアルディスプレイを侮ってはいけません。
なぜなら、画面を切り替える手間が大幅に激減するからです。
経理業務に限った話ではありませんが、アプリのタブ・WEBサイトのタブなどの画面を切り替えながら作業をおこなっていると、いちいち時間がかかります。
画面を切り替える時間を1回1秒とすると、1日に300回行えば300秒、それを20日行えば100分も作業時間が変わります。
「たったの100分じゃん」と思われるかもしれませんが、それが積み重なればもっと大きな時間になります。
デュアルディスプレイを使ってカットできた100分で何ができるか想像してみてください。
もっとお金を生み出すための経営者としての本来の仕事に充てることもできるはずです。
ツールを利用して経理業務を効率化する方法3つ目は、クラウド会計ソフト・経理システムを利用することです。
一言でクラウド会計ソフト・経理システムと言っても、現在はいろいろな種類があります。
いずれも紙で行っていたやりとりをWEB上ですべて完結できるため、うまく使いこなせば非常に便利なツールです。
ただし、クラウド会計ソフト・経理システムには利用するにあたっての注意点があります。
それは、何となくシステムを導入して・利用するだけでは意味がないということです。
クラウド会計ソフトなどは、初期の登録・設定だけ済ませれば、自動的に経理業務ができると考えられがちです。しかし、実際には違います。
正しい経理知識を持った人が、会社の状況に合わせてその都度チューニングしていく必要があります。
つまり、クラウド会計ソフトなどを導入する場合は、正しい経理知識を持った人がいることが前提条件なのです。
専門的な経理知識を持った社員がいない会社は、経理のプロフェッショナルである税理士などに事前に相談しておくのも1つの選択肢かもしれません。
最後に、外注・アウトソーシングを利用して経理業務を効率化する方法を3つ紹介していきます。
経理業務を外注できる業者は、大きく分けて下記の3つです。
それぞれの中小企業に合った外注業者の選び方や各業者ごとのメリット・デメリットについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
合わせてご参考にして下さい。
関連記事:経理業務の外注・アウトソーシングを今すぐ検討すべき中小企業とは?
オンラインアシスタントサービスに経理業務を外注すれば、基本的にオンラインですべてが完結します。
なので、わざわざどこかに出向いてまで経理を外注したくない会社には、オンラインアシスタントサービスはうってつけのサービスと言えるでしょう。
ただし、経理業務以外の様々な業務のオンライン化を合わせて勧められる可能性があるため、経理業務のみを効率化したい会社は注意が必要です。
そのため、オンラインアシスタントサービスを利用する場合は、事前にどんな業務を・どこまで依頼するのか明確にしておきましょう。
そうでないと、気づかないうちに積もり積もってコストが高額になる可能性があるからです。
経理代行専門業者は、経理業務の代行を専門に行っている記帳代行などの会社です。
外注できる業務内容は、経理業務に限られるため、経理業務のみを効率化したい会社に向いています。
経理代行専門業者の最大の特徴は、費用を比較的安く抑えられることです。
しかし、費用が安いのには必ず相応の理由があります。
どの業界においてもビジネスの世界においては、高確率で「高かろう良かろう」「安かろう悪かろう」が原則なのです。
実際、経理代行専門業者の中には怪しい会社が多く存在します。
そのため、経理代行専門業者を利用する場合は、情報漏えいのリスクなどに十分に気をつけて利用しましょう。
税理士は、国家資格を持つお金のプロフェッショナルです。
経理の外注業者の中でも唯一、「確定申告」「年末調整・法定調書等」「決算書の作成」などの年次業務も外注できます。
もちろん、日常業務や月次業務の経理代行もセットで依頼できる税理士・会計事務所もあるので、そのままスムーズに年次業務につなげることも可能です。
税理士・会計事務所に経理を外注すると、費用が比較的高くなると思われがちですが、経理業務と税務会計をまとめて依頼することでコストを抑えることができます。
また、今まで積み重ねてきた経験や実績から中小企業経営に関する様々なアドバイスを受けられるのも、税理士・会計事務所の大きな特徴です。
税理士・会計事務所に経理を外注すれば、心強い味方になってくれるでしょう。
本記事では、経理業務を効率化する方法を11個紹介してきました。
あなたの会社に合った経理効率化の方法は見つかりましたか?
実際には、先行投資をしないとすぐ導入できないものもあるかもしれません。
しかし、会社内での取り組み・ツールの利用・外注業者への無料相談など、お金をかけなくてもできることはたくさんあります。
何かをやってみないことには、今と何も変わりません。
まずは、本記事の中の1つでもいいので、できることから経理業務の効率化を始めてみましょう。