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合同会社設立の流れを手順・スケジュールに沿って解説!株式会社設立との違いも

会社設立を考えたとき、会社の形態としてよく選ばれているのは株式会社と合同会社の2つ。

株式会社と合同会社の違いは細かいところを挙げれば多数ありますが、合同会社は株式会社に比べて設立費用が安く済むのが大きな特徴。

設立費用の安さとその他の特徴から、設立する会社の形態として合同会社を選択する人も多くなっています。

そこで今回は、合同会社設立の流れなどについて紹介していきます。

また、実は合同会社から株式会社に変更することもでき、最初から株式会社を設立するよりも法定費用が安く済む方法も。

それでは、合同会社設立の流れを確認していきましょう。

合同会社設立の流れ

合同会社を設立する流れは、大まかには以下のとおりです。

  1. 定款を作成する
  2. 設立登記をする

合同会社設立の流れは株式会社とほぼ同じですが、設立登記の前の公証人からの定款認証が不要な点が大きな違いです。

定款認証では、公証人手数料として5万円を支払わなければなりません。
定款認証が不要であることは、会社設立費用に大きな影響があるということです。

なお、株式会社設立の流れは以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひあわせて参考にしてください。

関連記事:株式会社を設立する流れ・手順をポイントとあわせて徹底解説!

それでは、合同会社設立の流れを詳しく紹介していきます。

設立の流れ①代表社員を決める

会社設立の手続きを進める人を発起人と言います。

1人で会社を設立するなら、当然その人が発起人となります。

しかし、例えば2人以上で合同会社を設立しようと考えているのであれば、誰が代表社員となるのか明確にしておく必要があります。

設立の流れ②印鑑登録して印鑑証明書を発行する

会社を設立する時は、会社の実印を登録するために印鑑届書という書類を法務局に提出します。(オンライン登記申請なら必須ではなく任意)

書面で印鑑届書を提出する時は、市区町村で印鑑登録した個人の実印も必要ですので、個人実印を証明する印鑑証明書が必要です。

オンラインで印鑑届書を提出するのであれば、個人の実印の代わりに電子署名をしなければなりません。

参照:商業登記規則が改正され,オンライン申請がより便利になりました(令和3年2月15日から)

ちなみに、世田谷区・目黒区の印鑑登録および印鑑証明書の手数料(税込)は以下の通りとなっています。

印鑑登録 ¥100
印鑑証明書 ¥300

参照:
印鑑登録を申請する(本人申請) | 世田谷区ホームページ
印鑑登録の手続き (本人申請の場合) 目黒区

設立の流れ③設立する合同会社の概要を決める

設立する合同会社の概要とは、以下の事項です。

  • 商号
  • 事業目的
  • 本店所在地
  • 公告の方法
  • 社員の氏名および住所、出資額、責任
  • 持分の譲渡
  • 業務執行社員
  • 代表社員
  • 損益分配の割合(報酬)
  • 事業年度

株式会社と違って、株式に関する詳細・株主総会・取締役・監査役などの事項を定めなくても良いので、比較的ラクに決めることができます。

ただし、合同会社の出資者が2人以上の場合、損益分配の割合(報酬)には特に注意が必要です。

株式会社でも合同会社でも、会社損益の分配割合は出資比率となるのが原則。
ただし、合同会社では定款で配分の決め方を自由に決めることができます。

損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。

引用元:会社法(第622条) | e-Gov法令検索

会社設立後にトラブルになりがちな部分ですので、「すべての社員の同意により定める」など柔軟にしておくと良いでしょう。

設立の流れ④決めた会社概要をもとに定款を作成する

先ほど決めた会社概要は、ほとんど会社定款に記載します。

定款は、絶対的記載事項を記載しておかなければ無効となります。

合同会社の定款における絶対的記載事項は以下の通りですので、必ず記載するようにしましょう。

  • 目的
  • 商号
  • 本店所在地
  • 社員の氏名と住所
  • 社員全員が有限責任社員である旨
  • 社員の出資目的およびその額

具体的な定款のイメージは、法務局ホームページを参考にしてみてください。

参考:商業・法人登記の申請書様式:法務局

設立の流れ⑤社員全員が資本金の払込みをする

合同会社の設立登記を申請するには、資本金を払ったことを証明する書面が必要です。

具体的には、代表者が払込金受入証明書を作成し、預金通帳の写し等と合わせて提出しなければなりません。

そのため、登記申請の前に出資者(社員)全員が、代表者の個人口座に資本金を払い込みます。

払込金受入証明書の書式も法務局ホームページにありますので、参考にしてください。

設立の流れ⑥法人の設立登記をする

定款を作成し、資本金の払込みが済んだら、いよいよ法人の設立登記を申請します。

申請は以下3つの方法があり、普段パソコンを使い慣れており、出資者が1人の場合などはオンライン申請も1つの選択肢です。

  • オンライン申請:申請用総合ソフトをダウンロードし、申請書情報と添付書面情報を電子署名を付与して法務局に送信する
  • 郵送申請:申請書および添付書面を法務局に郵送する
  • 窓口申請:申請書および添付書面を法務局に持参して提出する

いずれの方法でも以下が必要書類等となります。
不備があると面倒なので、提出前によくチェックしましょう。

  • 合同会社設立登記申請書
  • 登記すべき事項(書面もしくは電磁的記録)
  • 定款
  • 代表社員、本店所在地および資本金を決定したことを証する書面
  • 代表社員の就任承諾書
  • 払込みがあったことを証する書面(払込金受入証明書および通帳の写し)
  • 資本金の額の計上に関する代表社員の証明書
  • 委任状(代理人に申請を委任した場合)
  • 印鑑届書(オンライン申請の場合は必須ではない)
  • 個人の印鑑証明書(オンライン申請の場合は必須ではない)
  • 設立登記にかかる登録免許税(最低6万円分の収入印紙)

設立の流れ⑦登録免許税を納付する

オンライン申請でなければ、原則として申請書を法務局にチェックしてもらってから、収入印紙を購入して登録免許税を納付します。

オンライン申請であれば、申請書を提出してから電子納付(インターネットバンキングまたはPay-easy)します。

申請不備による補正(修正)がなければ、合同会社設立の手続きは完了です。

合同会社設立にかかる期間(スケジュール)

合同会社設立の流れを紹介してきましたが、設立にかかる期間(スケジュール)を目安として紹介します。

合同会社の設立は早くて3日程度(通常は10日前後)、知識0で勉強しながらやる場合は1ヶ月程度が目安です。

項目 時間
設立手続き等の事前知識習得 5~20時間程度
定款の作成 5~10時間程度
設立登記の書類作成・準備 5時間程度

合同会社と株式会社の違いとは?

合同会社と株式会社のどちらを設立しようか迷っている方も多いのではないでしょうか。

そこで、合同会社と株式会社の違いを以下にまとめてみました。

項目 株式会社 合同会社
設立手続き
  1. 定款の作成(書面なら収入印紙4万円)
  2. 定款の認証(株式会社の場合必要で、手数料等5.2万円)
  3. 設立登記(登録免許税として最低でも15万円)
  1. 定款の作成(書面なら収入印紙4万円)
  2. 設立登記(登録免許税として最低でも6万円)
機関設計 必要 不要
出資者 株主 社員
経営者 経営者 社員
重要事項の決定(意思決定) 株主総会(会社法第295条) 社員の過半数
(会社法第590条2項)
出資者責任 間接有限責任 間接有限責任
(会社法第580条)
利益分配
(剰余金の配当)
出資額に比例する 定款で自由に定めることができる
役員任期
  • 公開会社は最長2年
  • 非公開会社は最長10年(取締役)
なし
決算公告義務 あり
(会社法第440条)
なし
資金調達
  • 金融機関からの融資審査で有利になりやすい
  • 補助金・助成金を受けられる範囲が広い
株式会社と同様だが、株式による資金調達はできない
対外的信用 取引・人材獲得・資金調達面で有利 株式会社と同様だが、株式会社ほどの効果は見込みにくい

大まかには、合同会社は株式会社と比べて自由度が高く、会社設立・維持にかかる手間と費用が抑えられるといった特徴があります。

会社業務の執行および重要事項の決定は、株主総会ではなく社員の過半数が同意すれば良いので、意思決定もスムーズです。

ただし、対外的信用・知名度は現在もなお株式会社の方が高く、合同会社は株式上場ができません。

合同会社のデメリットについては、合同会社から株式会社への組織変更も可能ですので、実質的には大きなデメリットではないと考えられます。

合同会社から株式会社にすることは可能?

合同会社から株式会社へ組織変更も可能と紹介しました。

実は、合同会社を設立した後に株式会社に組織変更した方が、最初から株式会社を設立するより費用が安く済みます。

ただし、変更手続きには手間と費用がかかるため、一概にコスパが良いとは言い切れません。

合同会社から株式会社に組織変更する際の手続きと費用について、それぞれ解説します。

手続き 内容 費用
組織変更計画書 目的、商号、本店所在地、株式の数など定款で定める事項と効力発生日(定款変更の効力)を記載する
(会社法第743・746条)
¥0
総社員の合意 定款に別段の定めがある場合を除き、効力発生日の前日までに、組織変更計画について総社員の同意を得なければならない
(会社法第781条)
¥0
債権者保護
  • 組織変更をする旨と、債権者が一定期間内に異議を述べることができる旨を官報に記載して公告する
  • 債権者から異議があれば、弁済または担保を提供するか、信託保全の措置を講じる
    (会社法第779条の準用)
¥32,000
組織変更の効力発生 官報公告からおよそ1ヶ月後 ¥0
組織変更登記 以下添付書類を添付して、解散および登記申請書を法務局に提出する

  • 定款
    (総社員の同意書の記載を援用可能)
  • 組織変更計画書
  • 代表取締役の選定に関する書面
    (定款、取締役会議事録、株主総会議事録など
  • 取締役、代表取締役及び監査役の就任承諾書
  • 取締役および監査役の本人確認証明書
    (住民票記載事項証明書、運転免許証のコピーなど)
  • 公告及び催告をしたことを証する書面
    (官報の控えなど)
  • 登録免許税法施行規則第12条第4項の規定に関する証明書
  • 委任状(代理人による申請の場合)

※異議を述べられた場合、会計参与や会計監査人を設置する場合、株主名簿管理人を置いた場合は別途添付書類が必要

¥60,000

参照:持分会社の組織変更(持分会社→株式会社)の登記申請書【R3.2.15更新】:法務局

大まかには、組織変更計画書を作成して総社員の同意を得た後、1ヶ月間の債権者保護(官報公告等)が終わったら組織変更の登記を行います。

法務局の申請書記載例を見ると大まかなイメージを掴めますので、組織変更の予定があればぜひ目を通してみてください。

組織変更できるかどうかは、債権者次第です。
債権者から異議があれば、債務を弁済するかその他の保全措置を講じなければならないからです。

また、組織変更にかかる費用については、あくまでも目安ですが以下の通りです。

  • (株式会社の法定設立費用は、電子定款で20.2万円)
  • 合同会社の法定設立費用は、電子定款で6.0万円
  • 合同会社から株式会社への組織変更費用は、電子定款でおよそ10.0万円

結果として、合同会社を設立してから株式会社に組織変更すれば、4万円ほど安く株式会社を設立できることになります。

組織変更計画・総社員同意・債権者保護・変更登記の手続きを踏み、債権者からの異議がなければ、合同会社から株式会社への変更も可能。

もし株式会社と合同会社で迷ったら、運営の自由度が高く、設立・維持にかかる手間と費用が抑えられる合同会社を選んでみてはいかがでしょうか。

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