創業融資の審査に無事に通るかどうか不安に感じていませんか?
創業融資で借りるお金は、個人で借りるお金と違って大金になるため、予定通り借りられるのかどうか不安になるのも当然です。
しかし実際には、創業融資の審査は、審査基準をきちんと満たせばそれほど難しいものではありません。
そこで本記事では、日本政策金融公庫の創業融資の審査基準を5つにわかりやすくまとめました。
また、創業融資の5つの審査基準を踏まえた上で、融資審査を成功させるコツについても具体的に紹介しています。
是非、創業融資の審査に無事に通れるように、事前知識としてお役立てください。
なお、本記事では日本政策金融公庫の新創業融資制度の審査基準について解説しています。
地方自治体の制度融資についてや創業融資の流れについて知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
関連記事:創業融資とは?創業融資の種類と資金調達までの流れを徹底解説
また、創業融資の審査では書類も重要視されます。
融資審査の際に必要な書類については、以下の記事をご覧ください。
目次
日本政策金融公庫の創業融資の審査基準は、下記の5つです。
各基準ごとに、融資審査に通る人と通らない人の差を明確にしながら解説していきます。
○ 融資審査に通る人…自己資金割合が3割以上
× 融資審査に通らない人…自己資金割合が0
創業融資の審査基準1つ目は、自己資金割合です。
自己資金割合とは、創業資金総額のうち、自己資金が占める割合のことを指します。
借入希望額に対する自己資金の割合ではありません。
例えば、創業資金総額が1,000万円・自己資金が200万円の場合、借入希望額は1,000万円-200万円=800万円になります。
この場合、自己資金割合は200万円÷1,000万円=2割です。
200万円÷800万円=2.5割ではないので注意してください。
創業融資では、自己資金が0でも融資審査に通ることもありますが、目安として創業資金総額の3割程度はあると良いでしょう。
なお、自己資金割合は高ければ高いほど融資審査で有利になります。
ただし、融資審査の直前で急に自己資金が増えていると、融資審査のために用意した「見せ金」だと判断されることがあるので注意してください。
自己資金は、あくまでも事業に使用する予定のお金です。
自己資金に関する詳細は、別の記事で詳しく解説します。
○ 融資審査に通る人…資金用途が明確
× 融資審査に通らない人…資金用途が不明確
創業融資の審査基準2つ目は、資金用途です。
資金用途が不明確だと、融資額の減額を受けたり、融資審査に通らなかったりする可能性があるからです。
資金用途を明確にするためには、下記の書類をできるだけ用意しましょう。
創業融資の審査では、お金の使い道を具体的に示すことが求められます。
書類をただ用意するだけでなく、下記の4点を数値的に明らかにしましょう。
なお、創業融資の審査の際に必要な書類については、以下の記事で詳しく解説しています。
○ 融資審査に通る人…返済見込みがある
× 融資審査に通らない人…返済見込みがない
創業融資の審査基準3つ目は、返済見込みです。
当たり前ですが、お金を返せる見込みのない人に創業融資はできません。
そのため、創業融資の審査では、借りたお金をしっかりと返すことができるかどうかがチェックされます。
具体的には、預金通帳やクレジットカードの利用明細から下記の4点がチェックされます。
日本政策金融公庫は、税金で運営されている公的な機関です。
税金や公共料金などをしっかりと納めていることを証明しましょう。
また、創業融資前はリボ払いやカードローンを多用しないように注意してください。
○ 融資審査に通る人…事業経験がある
× 融資審査に通らない人…事業経験がない
創業融資の審査基準4つ目は、事業経験です。
通常の融資は、会社の実績などを元に融資審査に通るかどうかが決まります。
しかし、これから事業を始める人には実績がありません。
そのため、創業融資の審査では、これから始める事業の経験があるかどうかが問われます。
具体的には、以下のような事業経験があると良いでしょう。
事業経験をさらに強くアピールしたい人は、職務経歴書を用意してください。
職務経歴書を用意すると、より具体的に事業経験がわかるようになるからです。
商品・サービス・自分自身を売り込むつもりで、できる限りアピールしましょう。
参考:日本政策金融公庫|新創業融資制度の「自己資金の要件を満たすものとする要件」
○ 融資審査に通る人…面談の準備が出来ている
× 融資審査に通らない人…面談の準備が出来ていない
創業融資の審査基準5つ目は、面談です。
日本政策金融公庫の新創業融資では、必ず面談が必要になります。
必要書類の準備や面談の練習を事前にしっかりと行い、創業融資の審査を締めくくりましょう。
事業によっては店舗や工場などを訪問されることもあるので、施設の説明もできるようにしておくと良いでしょう。
具体的な面談の内容や創業融資について疑問点などがある場合は、事前に税理士などに相談しておくと確実です。
ここまでは、日本政策金融公庫における創業融資の審査基準について解説してきました。
それを踏まえて、ここからは創業融資の審査を成功させるコツを紹介していきます。
創業融資の審査を成功させるコツは、下記の5点です。
順番に解説していきます。
自己資金割合は、下記の3つの方法で高めることができます。
自己資金割合が低い場合は、基本的にはコツコツ貯めるのが良いでしょう。
コツコツ貯めることができれば、それだけ創業に意欲的で計画性を持っていることの証明になるからです。
創業予定日まで時間がなく、コツコツ貯めるのが難しい場合は、家族から援助を受けるか、創業資金総額を見直しましょう。
ただし、家族から援助を受ける場合は、家族の通帳が必要になるので事前に用意しておいてください。
自己資金割合の目安は3割です。
3割以上ある場合でも自己資金割合をさらに高めると、さらに融資審査に通りやすくなるでしょう。
創業融資の審査では、資金用途を明確にするために、主に創業計画書や見積書・契約書の提出を求められます。
資金繰り表の提出は必須ではありません。
しかし、資金繰り表を用意することで資金用途をより具体的にすることができます。
そのため、創業融資の審査を成功させる確率を少しでも上げたい人は、資金繰り表を作成して資金用途を明確にしましょう。
資金繰り表は、日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできます。
日本政策金融公庫|各種書式ダウンロード
創業融資の審査では、返済が見込める人物なのかが問われます。
最低でも創業融資の審査の約1年前あたりからは、税金や公共料金・ローンをしっかりと払っておきましょう。
また、リボ払いやカードローンが残っている人は、なるべく返済しておいてください。
リボ払いやカードローンがたくさん残っていると、創業融資を返済に充てる可能性があると判断されることがあります。
創業融資の審査では、事業経験が求められます。
事業経験のない業種の場合は、融資額の減額を受けたり、創業融資自体が受けられないこともあります。
そのため、事業経験のない業種で創業を希望する場合は、アルバイトでもよいので経験を積んでおきましょう。
そして、しっかりと事業経験を積んだら、職務経歴書を用意して事業経験の詳細を記載しましょう。
アピールできるところは、積極的にアピールすることが大切です。
創業融資の審査は、ほとんどの人が初めての融資審査ではないでしょうか?
また、もし初めてではないとしても、書類の準備から面談の対策など、わからないことが多くあるはずです。
そのような場合は、お金のプロである税理士に事前に相談しましょう。
融資実績のある税理士に相談することができれば、創業融資の審査に通る確率が上がるのは間違いありません。
絶対に創業融資の審査を成功させたい人は、気軽に税理士に相談してみましょう。
本記事では、創業融資の審査基準と融資審査を成功させるコツを紹介してきました。
ここまで読んで、「創業融資の審査は難しそう」と感じている人もまだいるかもしれません。
しかし、創業融資の審査はそれほど難しくありません。
なぜなら、日本政策金融公庫は国が100%出資している公的な金融機関だからです。
「創業したいけど、お金を借りる人がいない」では、日本の経済は発展しません。
そのため、日本政策金融公庫は創業前の人でもお金を用意できるように、新創業融資制度を用意しています。
つまり、日本政策金融公庫は創業融資に非常に積極的だということです。
コツをしっかりと押さえて、事前に入念な準備ができれば、創業融資は非常に借りやすい融資です。
どうしても融資審査に通るかどうか心配な人や創業融資に時間をあまりかけたくない人、創業融資を絶対に成功させたい人は、まずは税理士などに相談してみましょう。