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会社設立・起業後の資金調達!創業融資や補助金・助成金について解説

【この記事は加筆・修正を加え、2023年2月6日に最新版に更新されました】

「会社設立・起業後の資金調達をどうするか」という問題には、多くの経営者が直面します。

もちろん自己資金だけで起業・開業できれば良いのですが、会社設立・起業後は多額の設備投資が必要だったり、できれば余裕を持って事業展開できるように一定の運転資金も確保しておきたいところです。

そんな中検討しておきたいのが、「創業融資による資金調達」と「補助金・助成金による資金調達」です。
本記事では、会社設立・起業直後ならではの創業融資や補助金・助成金による資金調達について解説しています。

創業融資の概要や資金調達までの流れ・申し込む前に準備すべきポイントについて知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

関連記事:創業融資とは?創業融資の種類と資金調達までの流れを徹底解説

会社設立・起業後の創業融資による資金調達

会社設立・起業後の資金調達として、金融機関からの融資を検討される方も非常に多いかと思います。

しかし、事業実績のまったくない会社設立・起業後には、民間の金融機関からの一般融資は非常に受けにくいものです。
なぜなら、貸し倒れリスクがあるため企業の安全性を考えた結果、会社設立・起業後の融資には消極的だからです。

創業支援の補助金などを活用するという手もありますが、これを受けるためには非常に厳しい審査を勝ち抜く必要があり、確実に資金調達できる方法とはいえません。

では、会社設立・起業後に資金調達するにはどうすれば良いのでしょうか?

ポイントは、公的機関を活用した創業融資を活用することです。
具体的にいうと、「日本政策金融公庫の新創業融資」と「信用保証協会の制度融資を活用した創業融資」です。

金融機関からの融資は、個人も法人も一緒?

よく「会社設立すると社会的な信用が増すから、金融機関からの融資が受けやすくなる」と言われますが、実は必ずしもそうとは言い切れません。
というのも、会社設立したとしても創業時は実績ゼロの状態だからです。

以前は会社設立の際の資本金要件が厳しかったので、会社設立=経営資源が潤沢で安定していると考えられました。
しかし、資本金1円・取締役1人から会社設立できる現在では、必ずしも会社設立=安定と言えません。

つまり、会社設立・起業後に限っては法人であっても個人であっても、金融機関からの融資が難しいことに変わりはないのです。

会社設立・起業後でも融資を受ける方法

会社設立・起業後に民間の金融機関から普通に借り入れを行うことは非常に難しいです。

しかし、事業実績の少ない会社設立・起業後でも融資を受けられる方法があります。
それは、日本政策金融公庫と信用保証協会による創業融資の活用です。

この2つは公的機関ですから、自己資金が少なくても創業融資を受けられる可能性が高く、かつ利息や保証料が低いというメリットがあります。

まさに、会社設立・起業後の経営者にとっては強い味方となります。
会社設立・起業後に創業融資を検討する際は、まずこの2つから考えるのが良いでしょう。

日本政策金融公庫の新創業融資

日本政策金融公庫は、国の政策に基づいて融資を行う政府系の金融機関です。
個人や中小企業への融資のほか、「新創業融資制度」として起業・開業する人の支援を積極的に実施しています。

新しく事業を始める人や起業直後の人を対象にした新創業融資制度は、無担保・無保証で最大3,000万円の創業融資を受けられる可能性があるのです。さらに、金利も非常に低いのがポイントです。

適切な創業計画書などを作成し、最低限の自己資金を確保できていれば、創業融資を受けることができます。
ですから、会社設立・起業後の経営者は、まず日本政策金融公庫の新創業融資を検討してみてください。

新創業融資のメリット

新創業融資の最大のメリットは、「無担保無保証・連帯保証人署名不要」で創業融資が受けられることです。
経営者にとって非常に安心で、有利な融資制度というわけです。

また、後述する制度融資に比べて、創業融資が受けられるまでの期間が短いのも特徴です。
申し込みから融資実行まで1ヶ月程度で完了することが多く、スピードが求められる起業直後の事業展開を資金面から強力にサポートしてくれます。

積極的に起業家を支援するという立場ですから、融資審査の要件が比較的緩いというのもメリットです。
一定の要件を満たし、適切に書類を準備できれば、基本的に創業融資を受けることができます。

新創業融資のデメリット

会社設立・起業時に使える創業融資としては、メリットしかないといえるほど経営者に有利な新創業融資。
あえてデメリットを挙げるとすれば、制度融資と比べると実質的な金利がやや高くなる場合もあるということくらいです。

とはいえ、金融機関の一般の融資に比べても格段に金利が低いため、創業融資による資金調達の際にはまず検討したい融資です。

創業融資の審査では書類が重要視されます。
融資審査の際に必要な書類については、以下の記事をご覧ください。

関連記事:創業融資は書類が9割!創業融資に必要な書類まとめ

また、日本政策金融公庫の創業融資の審査基準を5つにわかりやすくまとめました。
創業融資の審査に無事に通れるように、事前知識として以下の記事もお役立てください。

関連記事:日本政策金融公庫の創業融資の審査基準は5つ!審査成功のコツとは

信用保証協会の制度融資としての創業融資

信用保証協会とは、中小企業の融資・資金調達をサポートするために生まれた公的機関です。
直接融資をするというよりも資金借入時に公的な保証人となることで、スムーズな融資を支援してくれます。

信用保証協会をどのように活用するのかというと、一般的には「制度融資」を使います。
制度融資とは都道府県や自治体が行う融資のことで、要件として信用保証協会の保証が必要という仕組みの融資制度です。

制度融資の内容は自治体によって異なりますが、保証料が不要だったり・金利の一部を自治体が負担してくれるなど、中小零細企業にとっては強力な資金調達方法の一つです。

特に創業融資としての制度融資を手厚く拡充している自治体も多くありますから、まずは会社設立・起業する場所の自治体に相談してみると良いでしょう。

制度融資としての創業融資のメリット

制度融資としての創業融資の最大のメリットは、何と言っても金利の安さです。
金利や信用保証協会の保証料の一部を自治体が負担してくれるため、実質的な金利が日本政策金融公庫の創業融資よりも低くなるケースが多いのです。

地域により得られるメリットは様々ですが、自治体によっては金利が1%を切るところもあります。これを利用しない手はありません。

制度融資としての創業融資のデメリット

日本政策金融公庫の新創業融資と比べて、制度融資としての創業融資の場合は「自己資金要件が厳しい」「創業融資までの時間がかかる」という点がデメリットです。

もちろん自治体によって要件は異なりますが、新創業融資の自己資金割合が10%なのに対し、制度融資としての創業融資の場合は50%を求められることが多いです。

また、融資審査に関わる機関(信用保証協会・金融機関)が増える分、申し込みから融資実行まで時間がかかります。
すぐに資金が手元に欲しいというような場合は、若干不満を感じるかもしれません。

なお、自己資金割合とは事業全体で必要な資金に対する自分で準備した資金の割合をいい、以下の式で求められます。

自己資金割合=自己資金÷創業資金(=事業全体で必要な資金)

会社設立・起業後の補助金・助成金による資金調達

会社設立・起業後は、何かと資金繰りが大変です。
そのため、金融機関からの創業融資を考える人もいるかと思いますが、一緒にぜひ検討しておきたいのが補助金・助成金による資金調達です。

会社設立・起業後の創業融資は金利が低いものなどもありますが、返済が必要なことに変わりありません。

しかし、補助金・助成金は原則的に返済不要です。
要件を満たし、審査を通過することで資金を獲得できるので、会社設立・起業後の経営者にとって強い味方となります。

会社設立・起業時の創業資金を援助する目的で、経済産業省や各自治体が独自の補助金・助成金制度を行っています。
誰でも取得できるわけではなく、厳しい審査を勝ち抜くことが必要ですが、ビジネスプランを評価してもらえるというのは、事業を進めていく上でも大きな自信になります。

助成金と補助金の違い

助成金や補助金は、国や地方自治体が支援する資金で、原則として返済不要という特徴があります。
融資と違い基本的に「後払い」なので、設備投資などの出費を終えた後に資金を受け取るという流れになります。

助成金は、要件さえ満たせば基本的に申請者がすべて受給できるものです。

一方、補助金には一定の予算があるため、要件を満たしていても審査内容によっては受給できないことがあります。

そのため、補助金を受けるためには「補助金をどのように使うのか」「事業がどのくらい社会に役立つか」などをアピールし、勝ち取らねばなりません。

会社設立・起業後に利用できる補助金・助成金の種類

起業に関する助成金や補助金といっても、さまざまな役所が目的に応じた取り組みを行っています。
年度ごとに内容や要件も変わりますが、大きく分けると以下の4種類に大別できます。

なお、中小企業庁が運営している補助金・助成金 中小企業支援サイト「ミラサポplus」では、各種補助金・助成金の情報が集約されています。
是非参考にしていただき、利用したい助成金・補助金の最新情報をチェックしてみてください。

経済産業省の補助金(会社設立・起業時)

経済産業省が行っている補助金は、会社設立・起業のタイミングで使えるものがほとんどです。
また、ものづくりやサービスの新事業を創出するための設備投資などを支援する補助金もあります。

例:

  • 創業補助金
  • 創業促進補助金
  • ものづくり補助金

ただ、公募期間が1ヶ月程度と短く、採用されるかどうかも補助金によってかなり幅があるという特徴があります。

補助金を得るためには、事業計画書をしっかり練っておく必要があります。
採用率を上げるために、専門家などにアドバイスや書類作成を依頼するのもオススメです。

厚生労働省の助成金(従業員雇用時)

事業を開始すると事業規模の拡大に応じて従業員を雇用することもあります。
そんな時、厚生労働省が行っている助成金をしっかり利用しましょう。

要件を満たして申請すれば受けられる助成金がほとんどですから、調べて使わない手はありません。
例:

  • キャリアアップ助成金
  • トライアル雇用奨励金

※若者や女性の雇用について助成が受けられる場合もありますから、新規雇用を行う際はハローワーク等に相談してみてください。

地方自治体の助成金・補助金

市区町村などの地方自治体が、地方の産業を盛り上げるために独自の助成金や補助金を実施している場合があります。
特に、国家戦略特区や創業特区に指定されている自治体は補助が手厚い傾向にあります。

創業に関する助成金や補助金以外にも、融資の補助や店舗の家賃補助など自治体ごとに様々な施策が展開されています。

その他の助成金・補助金

他にも独自に起業家を支援するための助成金や補助金制度を導入している機関もあります。
例えば、大手企業・財団・政府系金融機関や「ビジネスプランコンテスト」等を行っている場合もあります。

会社設立・起業と合わせて資金調達も考えておこう

会社設立・起業直後の資金調達は、経営が始まってからの資金調達とは大きく異なります。
会社設立・起業直後ならではの創業融資や補助金・助成金による資金調達を大いに活用して、事業を早く軌道に乗せたいところです。

ビジネスチャンスを逃さないためにも、早めに情報収集して資金調達のために動き始めてください。

金融機関からの創業融資も補助金・助成金等の利用も、何より大切なのは「事業の中身」です。
いくら自己資金が潤沢で組織がしっかりしていても、事業の内容が不透明で魅力がなければ資金調達は受けられません。

ですから、資金調達を視野にいれるのであれば、会社設立・起業の段階でしっかりとした事業計画を練ることが大切です。

創業融資の選び方や事業計画書の作成などに悩みそうであれば、早めに税理士など専門家に相談するのもオススメです。
専門家視点のアドバイスを取り入れることで、よりスムーズに・より有利に資金調達ができるでしょう。

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