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合同会社設立の費用は?司法書士や税理士に代行を依頼するべきか?

合同会社の設立にかかる費用はいくらか知っていますか。
会社設立費用をとにかく抑えたいと考えるのであれば、株式会社だけでなく、合同会社も一緒に検討すべきです。

実際、ここ十数年くらいの法人設立にあたっては、株式会社ではなく、合同会社を選択する経営者も増えてきています。(下表)

年次 株式会社 合同会社 比率
2019年 980,866 75,195 7.67%
2018年 975,458 68,512 7.02%
2017年 1,013,300 63,486 6.27%
2016年 988,226 55,679 5.63%
2015年 972,857 48,428 4.98%
2014年 899,383 39,424 4.38%
2013年 897,675 29,836 3.32%
2012年 903,080 23,025 2.55%
2011年 920,328 18,756 2.04%
2010年 931,967 15,772 1.69%
2009年 992,293 13,667 1.38%
2008年 1,055,543 10,785 1.02%
2007年 1,250,514 9,557 0.76%
2006年 1,369,953 4,066 0.30%

参照:e-Stat「登記統計 法務局及び地方法務局管内別 登記事件の件数及び個数」

そこで今回は、合同会社の設立を検討している方に向けて、合同会社設立にかかる費用について詳しく紹介します。

合同会社の設立費用を抑える方法や、司法書士や税理士などの専門家に代行してもらうべきかどうかのポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

合同会社の設立にかかる費用

合同会社を設立するためにかかる費用は、法定費用とその他の費用に分けられます。

法定費用とは、合同会社を設立するために法律で定められている費用です。
その他の費用とは、手続きに伴う交通費や会社の印鑑作成費用などのことです。

まずは、下表に法定費用をまとめます。

法定費用 金額
定款の印紙代 ¥40,000
登録免許税※ ¥60,000
合計 ¥100,000

※登録免許税は、資本金の額がおよそ857万円を超えると上表より高くなります。

表の通り、合同会社を設立するにはおよそ10万円の法定費用が発生します。

合同会社の設立は自分で行うと10万円

合同会社の設立は、自分で行う場合にはそのまま10万円の法定費用が発生してしまいます。

なぜなら、定款の印紙代4万円を支払わずに済むためには電子定款を作成しなければならず、電子定款の作成は簡単ではないからです。

定款をPDFにまとめるだけなら難しくありませんが、書面における記名・押印に代わる措置を取らなければならないのです。

具体的には次の措置が必要です。

  • 登記申請で認められている電子証明書を取得する
  • アドビシステム社の電子署名形式に準拠した電子署名環境を準備する

参照:
PDFファイルに電子署名を付与する際の留意事項について | 登記・供託オンライン申請システム
法務省:商業・法人登記のオンライン申請について

電子証明書の取得自体は、マイナンバーカード(公的個人認証サービス電子証明書)を取得することで対応できます。
ただし、法務省が正式に確認している電子署名環境では、マイナンバーカードで電子署名を付与することは簡単ではないようです。

なお,一部のICカードタイプの電子証明書は,Adobe Acrobat Readerの電子署名機能を使用できない場合がありますので,ご利用の電子証明書のお問合せ先にご確認ください。

上記以外の方法で作成された「電子署名付きPDFファイル」については,上記の電子署名形式及び設定値を満たしていることを,ご利用のソフトウェアの開発元にご確認の上ご利用ください。

引用元:PDFファイルに電子署名を付与する際の留意事項について | 登記・供託オンライン申請システム

司法書士や税理士に依頼すれば、電子定款で法定費用は6万円

電子証明書の取得および電子定款に電子署名を付与するのは、自分でやるのには手間や費用が発生します。

そこで司法書士や税理士などの専門家に依頼すれば、電子署名環境は整えているので、電子定款に電子署名が可能です。
つまり、印紙代4万円を節約できます。

合同会社設立にかかる費用を抑えるためには?

株式会社設立にかかる法定費用は24.2万円で、合同会社は10.0万円です。

先ほど紹介した司法書士や税理士に依頼する方法を含めて、さらに費用を抑えるための方法を紹介します。

方法 効果
電子定款を作成 収入印紙代4万円が不要になる
資本金を857万円以下にする 登録免許税を6万円に抑える
特定創業支援事業を受ける ※ 登録免許税が最低3万円になる

※2022年3月31日までの登記および設立地の自治体が創業支援等事業計画を国から認定を受けている場合に限る

電子定款を作成して収入印紙代4万円を0円にする

株式会社は公証役場で定款の認証を受ける必要がありますが、合同会社は必要ありません。
そのため、定款の認証手数料の5万円が不要です。

しかし、合同会社でも定款の作成は必要です。(会社法第575条

定款は印紙税の課税文書に該当するため、印紙税を納付するために4万円の収入印紙を購入しなければなりません。

電子定款であれば印紙税が課税されないので、収入印紙代4万円を0円にできます。
ただし前述のとおり、電子署名の環境が整っていなければ手間や費用が発生してしまいます。

資本金を857万円以下にして登録免許税を抑える

登録免許税は、資本金の額に対して0.7%という税率で発生します。
合同会社の場合、6万円に満たないときは1件につき6万円と定められているので、最低でも6万円が登録免許税となります。

つまり、登録免許税を最低額6万円に抑えるためには、下式の通り資本金を約857万円以下にしなければなりません。

<計算式>
登録免許税の最低額60,000円÷登録免許税の税率0.7%=資本金の額857万1,429円

ただし、資本金を決める際にはその他の注意点もあります。

登録免許税の軽減措置を利用する

合同会社設立にかかる登録免許税は、最低でも6万円と紹介しました。

しかし、認定自治体の特定創業支援等事業を受けた証明書があれば、税率0.35%と低減され、最低額も3万円になります。

ただし注意点もあり、大きなものとしては次の3点です。

  • 期間限定:2022年3月31日までの設立登記が対象
  • 地域限定:国から創業支援等事業計画の認定を受けている自治体で創業する場合
  • 自治体からの証明書:認定自治体が行う特定創業支援事業を受けて証明書を発行してもらわなければならない(時間と手間がかかる)

例えば、世田谷区は認定自治体に該当し、特定創業等支援事業には以下があります。(目黒区も認定自治体に該当)

  • ワンストップ相談窓口
  • 事業計画策定等個別支援
  • 創業融資相談
  • 創業セミナー(有料)

参照:世田谷区創業支援等事業計画のご案内

詳しくは各自治体の担当課へお問い合わせください。

合同会社設立にかかる法定費用以外の実費

これまで合同会社設立にかかる法定費用について解説してきましたが、実際には以下のような実費が発生します。

交通費 登記の申請書を提出するために法務局へ出向く交通費
登記簿謄本の発行手数料 税務署への届出や銀行口座開設、社会保険の手続き時に必要(1通500円程度)
印鑑作成代 会社実印(代表者印)や銀行印など各種印鑑の作成代(1つにつき2万円程度)
印鑑登録・証明書発行手数料 法務局へ会社実印(代表者印)の届出および法人銀行口座開設等に必要(1通450円程度)

合同会社を設立した後にかかる費用など

合同会社を設立した後にかかる費用もあります。

主に、労働保険料(労災保険と雇用保険)・社会保険料(健康保険と厚生年金保険)・法人税等が挙げられます。

なお、株式会社でも合同会社でも社会保険や税金の取り扱いは基本的に同じです。

社会保険は「事業所」を単位に適用されますし、税金に関しては「普通法人」として同じ扱いとなります。

社会保険については負担が増える側面もありますが、税金については個人の所得税と比較すると税率を抑えて節税することが可能です。

合同会社設立後にかかる費用など 費用
雇用保険 賃金総額×保険料率0.6%
労災保険 賃金総額×保険料率(小売業は0.3%)
健康保険 標準報酬×健康保険料率4.92%
介護保険 標準報酬×介護保険料率0.9%
厚生年金保険 標準報酬×厚生年金保険料率9.15%
子ども・子育て拠出金 標準報酬×拠出金率0.36%
法人税 800万円以下:所得 × 15%
800万円超え:所得 × 23.2%
地方法人税 法人税額×10.3%
法人事業税 400万円以下:所得×3.5%
400超え800万円以下:所得×5.3%
800万円超え:所得×7.0%
特別法人事業税 法人事業税×37%
法人住民税 法人税額×所得割7%+均等割7万円

参照:
労働保険料の申告・納付|厚生労働省
令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
No.5759 法人税の税率|国税庁
地方法人税の税率の改正のお知らせ|国税庁
地方税の大要|国税庁

合同会社設立を専門家に代行してもらうかのポイント

結論から言えば、合同会社に限らず株式会社の設立でも、専門家に代行してもらう方が良いでしょう。

その理由は大きく分けて次の2点です。

  • 自力で設立するのは費用も時間もかかる
  • 結局、設立後に専門家に依頼することが出てくる

なお、先ほど紹介した社会保険料や税金についても、会社設立前に専門家(税理士)に相談しておけると、費用を抑える方法を教えてくれるケースがあります。

結局、法人の税務会計の手続きなどで税理士に依頼することになるため、法人設立前から親身に相談に乗ってくれる税理士を探しておくことが重要だと言えます。

自力で設立するのは費用も時間もかかる

まず、自力で合同会社を設立する際にかかる時間についてまとめてみました。
あくまでも一般的な例ですが、少なくとも17時間ほどかかってしまうでしょう。

項目 時間
設立手続き等の事前知識の習得 5~20時間程度
定款の作成 5~10時間程度
設立登記の書類作成・準備 5時間程度
設立登記の申請 2時間程度

専門家に依頼すれば、会社設立手続きの流れやポイントについて事前に説明してもらえる上に、電子定款で4万円を節約できます。
無駄な費用や時間・手間をかけずに済むのです。

結局、会社設立後に専門家に依頼することが出てくる

さらに、合同会社を設立した後にも多くの手続きをしなければなりません。

  • 法人設立届出(税務署)
  • 青色申告の承認申請書(税務署)
  • 給与支払事務所等の開設届出書(税務署)
  • 消費税の新設法人に該当する旨の届出(税務署)
  • 棚卸資産の評価方法の届出(税務署)
  • 減価償却資産の償却方法の届出(税務署)
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請(税務署)
  • 電子申告・納税等開始届出(税務署)
  • 事前確定届出給与に関する届出(税務署)
  • 消費税課税事業者選択届出(税務署)
  • 消費税簡易課税制度選択届出(税務署)
  • 法人設立・設置届(都道府県および市区町村)
  • 健康保険・厚生年金保険の新規適用届(年金事務所)
  • 保険関係成立届(労働基準監督署)
  • 雇用保険の事業所設置届出(公共職業安定所)
  • 雇用保険被保険者資格取得届(公共職業安定所)

ご覧の通り、合同会社設立を自分でやる場合、設立後の手続きは税務関連が大半を占めます。

このような背景もあり、合同会社の設立は専門家の中でも税理士に依頼するのがおすすめです。

合同会社の設立を税理士に依頼すれば、その後の税務会計手続きの代行およびサポート、創業融資に関するアドバイスなども受けられるからです。

合同会社設立は専門家に依頼するのがおすすめですが、さらに今後の経営や税務会計を見据えて、創業を積極的にサポートしている税理士を選ぶと良いでしょう。

合同会社の設立か株式会社の設立かで迷ったら

今回は合同会社の設立費用をメインに紹介してきましたが、合同会社と株式会社にはそれぞれ違いがあります。

株式会社と合同会社それぞれのメリット・デメリットについては、後日紹介いたします。

ちなみに、当事務所でも合同会社設立サポートを行っており、自分で設立するよりも安く、かつその他のサポートもワンストップで提供しています。

起業家にとって創業期は売上が不安定になりがちなため、低料金で・無駄な時間をかけることなく会社設立サポートを受けられるのは、その後の経営安定につながっていきます。

当事務所では、会社設立前に気軽に相談できる場をご用意していますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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