合同会社の設立を検討している方であれば、必要書類はどのようなものがあるのか事前に知っておきたいと考えていることでしょう。
実際、合同会社の設立にあたって事前に必要書類を把握し・きちんと準備しておくことが、会社設立をスムーズにスタートするためのポイントです。
株式会社では「定款の認証」が必要でしたが、合同会社では不要なこともあり、合同会社は比較的ラクに会社設立できます。
とはいえ、会社設立に必要な書類は、株式会社も合同会社も大きくは変わりません。
そこで今回は、合同会社設立に必要な書類チェックリスト(一覧表)をご用意しました。
合同会社設立の流れに沿って詳しく解説していきますので、ぜひ合同会社設立前にお役立てください。
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目次
合同会社の設立を自分で進める場合、最低限必要なのは以下の書類です。
なお、電子定款で設立登記をオンライン申請する場合、マイナンバーカードと書面をPDFに変換して電子署名を付与できる環境が必要です。
最低限必要になる書類は上記の通りですが、状況に応じてその他の書類も必要になってきます。
その他の書類も含めて、準備すべき順序に沿って詳細を紹介していきますので、ぜひチェックしてください。
合同会社の設立前に準備すべき必要書類は、以下の通りです。
合同会社を設立・経営するにあたっては、個人の実印と会社の実印が必要です。
個人の実印は、合同会社の設立登記および会社実印を申請する際、押印します。
その関係もあり、後述する印鑑証明書は、登記申請の際に必ず添付しなければならない書類です。
会社の実印については、印鑑届書という書類を届け出てから正式に会社の実印となります。
2021年2月15日から一定の条件を満たせば印鑑届書の提出は任意となりましたが、会社経営上は必要ですので、設立登記と同時に届け出るのが良いでしょう。
また、会社の印鑑は実印(代表者印)だけでなく、以下のようなものもあるので、必要に応じて作成しておくのがおすすめです。
個人の実印を証明する印鑑証明書は、会社の設立登記を申請するにあたって提出が必要な書類です。
ただ、マイナンバーカードを持っていて設立登記をオンライン申請する場合など、一定の条件を満たせば印鑑証明書が不要な場合もあります。
個人の印鑑登録には100円ほど、印鑑証明書の発行には1通300円ほどの手数料で済みますので、不安であれば印鑑証明書を発行しておくのが無難です。
参照:
世田谷区「印鑑登録を申請する(本人申請)」
目黒区「印鑑登録の手続き (本人申請の場合)」
合同会社の場合、公証役場での定款認証は不要ですが、書面定款であれば印紙税の課税文書となります。
したがって、定款の収入印紙代として4万円が必要です。
電子定款なら印紙税の課税文書ではないと解されているため4万円は不要ですが、その代わりにマイナンバーカードで電子定款に電子署名を付与できる環境が必要となります。
印鑑証明書や定款を準備できたら、資本金を払込みます。
その際、「払込みを証する書面」を準備しなければなりません。
引用元:法務局「添付書面の記載例」
払込みを証する書面とは、その名の通り、会社の資本金が払われたことを証明するための書類です。
払込んだ金融機関から払込金受入証明書をもらう場合もありますが、代表者が払込証明書を作成し、預金通帳の写しと合わせて綴じる方法が一般的です。
通帳の写しは、表紙・裏表紙・該当部分のコピーをとります。
該当する部分は、マーカーで塗っておきましょう。
なお、金銭出資ではなくパソコンや不動産など現物出資をした場合、さらに書面が必要です。
現物出資の場合については後述します。
合同会社の設立登記申請に必要な書類は、次の通りです。
なお、実際に合同会社の設立登記を申請する際は、以下の3つの提出方法があります。
パソコン操作に慣れている方は、一度「申請用総合ソフト」をダウンロードして触ってみても良いでしょう。
合同会社の設立登記申請では、公証役場で公証人から認証を受けていない定款を提出できます。
しかし、合同会社は株式会社と比べて自由度が高い組織設計が可能な反面、社員同士の意見が食い違うと経営に支障が出ることもあります。
事前に専門家から定款をチェックしてもらいましょう。
引用元:法務局「申請書様式」
上図の様式で、合同会社の設立登記を申請します。
法務局ホームページで記載例を見れるので、記入する前に確認しておきましょう。
引用元:法務省「登記事項の作成例一覧」
登記すべき事項は、上図のようなものです。
テキストファイルで作成し、別紙として提出するか、CD-RまたはDVD-Rに記録して提出します。
オンライン申請の場合は、申請用総合ソフト内で作成しそのまま送信可能です。
合同会社の設立登記をする場合、登録免許税として最低でも6万円かかります。
具体的には、次の式で登録免許税の額を求め、計算結果が6万円に満たなければ6万円となります。
登録免許税の額=資本金の額×0.7%
一般的には収入印紙貼付台紙に収入印紙を貼付けて納付しますが、オンライン申請の場合、電子納付(インターネットバンキング)も可能です。
資本金を払込む際に準備しておいた払込を証する書面は、合同会社の設立登記申請の際に提出します。
印鑑証明書は、完全オンラインで合同会社の設立登記を申請しない限り必要な書類です。
完全オンラインで設立登記を申請する場合は、電子証明書(マイナンバーカード)を準備しておきましょう。
引用元:法務局「印鑑届書様式」
会社の印鑑を作成したら、法務局に印鑑届書を提出後、正式な会社実印となります。
上図は印鑑届書の一部を引用したもので、右下に個人の実印を押印し、左上に会社印鑑を押印する形です。
なお、登記申請と同時に印鑑届書を提出する場合に限り、印鑑届書をオンラインで提出できます。
以下にオンライン申請の場合と書面申請の場合の記載例リンクを置きますので、参考にしてください。
参考:
印鑑届書の記載例(オンライン)
印鑑届書の記載例(書面)
ここまでは、どのような合同会社でも必要となる最低限の必要書類を紹介してきました。
しかし、状況によっては以下の書類が必要になってきます。
上記に該当する場合の追加の添付書類となりますが、現物出資をした場合を除いて、作成に手間がかかるものはありません。
もっとも本店所在地・代表社員・資本金の額については、法務局の記載例にもある通り、1つの書面でまとめることもできます。
さらに合同会社では、株式会社のように現物出資をした場合に税理士等もしくは裁判所を通じた手続きは不要です。
合同会社の設立登記申請において必要となる添付書面および記載例は、以下のページにまとめられていますので、一度見ておくと良いでしょう。
参考:法務局「合同会社設立登記申請書(代表社員が法人でない場合)」
合同会社を設立した後も、上図のように税務署等へ提出が必要な書類があります。
労働保険関係は、従業員を雇用しない場合は不要です。
なお、以下の記事は株式会社設立に必要な書類をまとめた記事ですが、合同会社設立後の必要書類については変わりません。
ぜひこちらの記事も合わせてご確認ください。
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特に、棚卸資産の評価方法や減価償却資産の償却方法、消費税の簡易課税については、税金に大きく影響する場合もあります。
合同会社の設立後も帳簿作成(会計処理)が必要ですし、金融機関から融資を受けたり、補助金の申請をすることもあるでしょう。
これらを経営者が自分ですべてやり切るのは、本業に割く時間も大きく減ってしまうこともあり現実的ではありません。
したがって、合同会社の設立を思い立った時点で、早めに税理士などに相談しておくのがおすすめです。