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会社設立の資本金はいくらにする?資本金「1円」は絶対ダメな2つの理由

【この記事は加筆・修正を加え、2023年4月14日に最新版に更新されました】

会社設立したい!一般的な資本金はいくら?

会社設立に必要な「資本金」とは

会社設立する際に決めなくてはならない資本金。

資本金はいくらぐらい必要なのか、そもそも何のために資本金はあるのか。
その本質があまりわかっていないという人も多いのではないでしょうか。

資本金とは、会社設立時に会社が保有している自己資本のことです。
会社設立時の初期費用や当面の運転資金として活用していくことになるお金で、「会社の体力を示すお金」とも言えます。

資本金を多く準備できれば当面の資金繰りが安定しますので、金融機関から借り入れなどをしなくても大丈夫なケースもあります。

また、資本金の額は対外的な信用度にも関わります。
「資本金が大きい会社ほど資金に余裕があって信頼できる会社」と第三者は判断するからです。

特に、会社設立して間もない法人など実績が少ない場合は、資本金が会社の信用度を決める1つの基準として注目されます。

資本金の額が起業・創業時の融資・資金調達を左右する

資本金の額は、資金調達できる融資額にも影響します。

起業・創業直後はどの会社も資金繰りが厳しいものなので、自己資金だけでは足りず、金融機関からの融資・資金調達を検討する方も多いです。

一般的に、資本金が多い法人の方が借り入れ審査に通りやすいといえます。

例えば、500万円の融資・資金調達を希望する場合、資本金が50万円の企業と500万円の企業では、後者のほうが融資審査では断然有利です。

特に起業・創業時には、創業融資などの融資制度を活用することができます。

通常の一般融資と比べると金利が低いので、こういった制度はぜひ積極的に活用したいものです。

しかし、創業融資の借入可能額は、資本金の額に左右されることが多いのが実情です。
一般的には「資本金の2倍程度が融資可能額」とイメージしておいてください。

起業・創業時に融資・資金調達を検討される方は、融資審査や融資額を視野に入れて資本金を決めましょう。

関連記事:創業融資とは?創業融資の種類と資金調達までの流れを徹底解説

会社設立の資本金はいくらにすべきか?

では、資本金はいくらに設定すべきでしょうか?

会社法が改正され、最低資本金の定めがなくなったため、制度上は資本金1円でも成り立ちます。
(以前は、株式会社は最低1,000万円・有限会社は最低300万円の資本金が必要でした)

とはいえ、あまりに少ないと運転資金もすぐに不足しますし、信用力にも影響してきます。
また、創業融資などを考えている場合には、借入可能額も資本金によって左右されてきます。

資本金を決定する際は、以下のポイントを意識してみてください。

初期費用としての考え方

資本金を当面の運転資金として捉えるなら、「初期費用(会社設立費用・設備投資費用など)」と「3ヶ月分以上の運転資金」を合計した額を用意しましょう。

事業開始後、利益が発生するまでには時間がかかりますので、できれば、3ヶ月~半年くらいは純利益が出なくても事業が続けられる額を用意するほうが安心です。

節税観点からの考え方

資本金を使って節税する方法があります。

会社設立時の資本金が1,000万円未満であれば、初年度とその翌年の2年間の消費税が免税になるのです。
また、法人住民税の均等割額も1,000万円を境に増額されます。

設立当初は少しでも税額を抑えて負担を減らしたいですから、資本金は1,000万円を超えない額を設定する方がいいかもしれません。

融資制度からの考え方

先述の通り、資本金は融資の審査や融資可能額に影響を与えます。
起業・創業時に融資・資金調達を考えている方は、その点も視野に入れて決定しましょう。

許認可制度からの考え方

許認可が必要な事業を始める場合、資本金が要件になっている場合があります。
例えば、一般労働者派遣業の許可を得るためには、資本金1,000万円が必要です。

始めようとする事業の内容によっては、あらかじめ資本金要件を確認しておきましょう。

資本金「1円」はダメな2つの理由

昔は資本金1,000万円だったが・・・

現在の法律(改正会社法)では、株式会社の資本金について、金額に関する決まりはありません。

平成18(2006)年に法律が変わるまでは「最低資本金制度」といって、株式会社の場合、1,000万円以上の資本金がないと開業できませんでした。
会社の環境に見合った資本金を確保し、債権者を保護するという目的があったためです。

しかし、資本金はあくまで「会社の設立時に用意していたお金」であるため、事業を継続していくうちに減少していくこともあり得ます。
資本金として登記されている額は十分だったとしても、実際はそこまでお金がなければ、債権者の保護にも役立ちません。

また、IT化が進み、自分の技術やノウハウを頼りに起業を志す人も増えてきました。
これらのビジネスは比較的小規模な金額でも始められます。

このような実態も鑑み、最低資本金制度が撤廃され、法律上は資本金が1円でも会社設立することができるようになったのです。

資本金「1円」はダメな2つの理由

しかし、実際に会社を設立し運営していくつもりなら、資本金「1円」はやめましょう。
その理由は2つあります。

1つ目は、現実的には「1円で事業を継続していくことは困難」だからです。

仮に外でオフィスを借りるとしたら、初期費用として1ヶ月分の家賃に加え、敷金・礼金・仲介手数料などがかかります。
場所や広さにもよりますが、数十万円単位での出費を覚悟すべきです。

自分の家で開業する場合でも、事業用の備品等を購入したら1円ではまず済まないはずです。

2つ目は「対外的な信用が得られない」からです。

銀行などの金融機関に創業融資を申し込む際、資本金が1円だと、審査担当者に「本当に事業を継続してやるつもりがあるのか」と疑念を抱かせます。
そうなると、まず融資審査には通りません。

「事業を継続していくこと」そして「対外的な信用を得る」ためにも、資本金1円はありえないのです。

創業融資・節税の観点から会社設立の資本金を決めよう

資本金は当面の運転資金として活用されるだけでなく、会社の信用度も左右します。
さらに、資金調達による融資額や税金にも大きく影響を与えるものです。

ちなみに、総務省統計局によれば、100万円~500万円程の資本金を設定している企業が多いそうです。

なぜ資本金100万円~500万円程の企業が多くなるのか?
それは、以下のメリットをすべて享受できる資本金の額の範囲内だからです。

  1. 資本金を1,000万円未満にすることで、初年度とその翌年の2年間の消費税が免税になり、さらに法人住民税の均等割が最も安い7万円になる
  2. 合同会社の場合、資本金を約850万円以下にすることで、登録免許税が最低額の6万円になる
  3. 創業融資の借入可能額の目安である「資本金の2倍」、つまり200万円~1,000万円程の資金調達ができれば、当面の運転資金としては十分な業種が多い

そのため、毎月の運転資金があまりかからない業種(IT関連やコンサルタント業など)は、資本金100万円~500万円程がちょうどいい資本金と言えるでしょう。

逆に、毎月の運転資金がそれなりにかかる業種(店舗や工場、従業員などを要する業種)で、自己資金もある程度準備できている場合は、500万円~800万円程を資本金にして、可能な限り多くの創業融資を狙うのが良いでしょう。

安易に資本金を決定せずに、自分の会社にとって最も有利な資本金を決定しましょう。
すでに顧問税理士を決めている場合には、会社設立前に資本金についてもアドバイスを求めるようにしてください。

なお、「株式会社設立時の資本金」および「合同会社設立時の資本金」について、それぞれ詳しくまとめていますので、気になる方はぜひ以下の記事をチェックしてみてください。

関連記事:株式会社設立時の資本金はいくらにする?後悔しない資本金の決め方

関連記事:合同会社設立時の資本金はいくらにする?最低額や平均額・決め方を紹介

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