【この記事は加筆・修正を加え、2023年2月2日に最新版に更新されました】
いざ起業しようと思って会社設立する時に、「会社設立費用をなるべく節約したい」「事業準備に集中したいから手間なく・簡単に会社設立を行いたい」と思う人は多いでしょう。
会社設立を行なうにあたっては、必要な登記申請書類を準備し、以下の流れ・手順を経る必要があります。
会社設立の流れ・手順・ポイント・スケジュールに関する詳しい内容は、合わせて以下の記事を確認してください。
関連記事:株式会社を設立する流れ・手順をポイントとあわせて徹底解説!
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そして、1・2のそれぞれで費用が発生します。
例として株式会社の場合、一般的にかかる会社設立費用は以下の通りです。
上記に加え、経営の元手資金となる資本金の準備・会社実印の準備・申請時に必要な個人の印鑑証明書の取得費用などが必要です。
また、会社設立後に会社を維持していくためにも、年間数十万円程度の費用が発生します。
これらの会社設立手続きをより簡単に・より安くする方法はないのでしょうか?
本記事では、会社設立・起業前に知っておきたい会社設立費用の節約ポイントを紹介します。
会社を設立する際に必ずかかる費用があります。
それは会社設立登記に必要な費用です。
一般的に会社設立登記に必要な費用は、以下の通りです。
紙の定款でなく、「電子定款」を選択することで収入印紙代は不要になります。
ただし、電子定款の導入にあたってはPDFリーダーやICカードリーダー等への設備投資が必要です。
まったく新規に会社設立する際にはこの他にも様々な費用が発生しますが、個人事業からの法人成りなどすぐに事業が始められる場合は、この金額を最低限準備すればすぐに会社設立ができます。
会社設立の費用に関する詳しい内容は、合わせて以下の記事を確認してください。
関連記事:株式会社設立の費用は最低いくら?設立コストを賢く抑えよう!
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会社設立時に忘れてはならない資金が「資本金」です。
この資本金は、会社が事業を始める際に自分で持っている運転資金となるとても重要なものです。
以前は最低資本金のハードルはとても高いものでしたが、現在は資本金最低1円からの会社設立が可能です。
とはいえ、実際の経営を考えると、資本金1円はオススメできません。
理由は、「会社としての信用度が低くなる」「当面の運営資金が足りなくなる」など、結局は経営の足かせとなってしまうからです。
また、創業融資の際の銀行借入額も資本金に左右されることが多いです。
一般的には、資本金の2倍程度の創業融資が得られる可能性がありますが、資本金が少なければ少ないほど資金調達できる金額も減ってしまうことになるからです。
創業融資に関する詳しい内容は、合わせて以下の記事を確認してください。
関連記事:創業融資とは?創業融資の種類と資金調達までの流れを徹底解説
関連記事:創業融資は書類が9割!創業融資に必要な書類まとめ
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資本金を考える際には、一般的に「初期費用+3ヶ月分の運転資金」を目安にすると良いでしょう。
この初期費用には、会社設立費用のほか、オフィスの保証金やパソコン・デスクなどの設備投資費用も含まれます。
※総務省統計局の統計には、100万円~500万円程度が一般的な資本金の額とあります。
ただ、資本金が多ければいいかというとそうとも言えません。
資本金を1,000万円未満にすることで、得られる税制上のメリットが大きいからです。
上記を踏まえると、起業時の資本金は1,000万円未満にする方がお得といえます。
会社設立時の資本金の決め方に関する詳しい内容は、合わせて以下の記事を確認してください。
関連記事:株式会社設立時の資本金はいくらにする?後悔しない資本金の決め方
関連記事:合同会社設立時の資本金はいくらにする?最低額や平均額・決め方を紹介
会社設立費用・資本金以外にも、以下のような諸費用が発生します。
起業時の規模にもよりますが、初期に必要な費用として100万円~200万円は用意した方が良いでしょう。
会社設立費用・資本金・その他の諸費用を合計すると、起業・開業時には最低でも300万円~500万円程度の資金が目安となります。
これから会社設立・起業を志す人は、300万円~500万円を目標に資金集めを行ってください。
また、自己資金以外にも起業時に使える創業融資を活用することもできますから、外部からの創業融資・資金調達も検討しつつ、準備する自己資金の額を決定してください。
定款認証の費用も登記申請の費用も、実は安く抑える方法があります。
会社設立時には、ぜひ以下のポイントを意識してみてください。
会社設立を行う際、会社設立費用が気になる人は多いでしょう。
実際、株式会社を設立しようと思ったら、定款認証・法人設立登記の手続きで合計20万円~25万円程度の費用が発生します。
以前は、「株式会社」以外に「有限会社」という会社形態があり、「有限会社」の方が安く・簡単に会社設立できる方法として知られていました。
しかし、2005年に会社法が改正され、「有限会社」の設立はできなくなりました。
では、現在の法制度上、一番安く・簡単に会社設立できる方法は何なのでしょうか?
ポイントは、「株式会社」という会社形態にこだわらないことです。
現行の会社法では「有限会社」は設立できないものの、「合同会社」「合名会社」「合資会社」といった会社形態を選択することができ、それぞれの会社設立費用は約10万円程度。
株式会社と比べて、半額程度で会社設立することが可能なのです。
中でも、安く簡単に会社設立したい人にオススメなのは「合同会社」です。
「合名会社」「合資会社」は資本金の制度がないというメリットがありますが、会社の債権者に対して経営者が直接リスクを負わねばならないというデメリットがあるので、あまりオススメはしません。
安く簡単に会社設立をしたいという人に、「合同会社」をオススメする理由を説明しましょう。
①会社設立費用を抑えられる
合同会社設立にかかる費用は、以下の通りです。
つまり、合同会社設立時にかかる費用は最低6万円で済みます。
株式会社設立にかかる費用は、定款に貼る収入印紙代4万円に加え、定款認証料金5万円も必要ですし、登録免許税も15万円~と、最低でも20万円はかかります。
つまり、比較すると登録免許税だけでも9万円ほどの差が発生します。
また、電子定款を導入すれば定款に貼る収入印紙代も不要ですから、公証人に支払う5万円と合わせて18万円の節約になります。
初期にかかる費用を抑えたい人にとって、この差は大きいです。
②迅速な意思決定ができる
合同会社は、株式会社と比べて定款の内容や内部組織の自由度が高いという特徴があります。
また、社員は出資者と取締役の両方を兼ねているので、意思決定のスピードが速いという点もメリットです。
③会社設立後の手続きもシンプル
会社設立は設立時だけではなく、その後も定期的に法定費用が発生します。
株式会社の場合は、決算期ごとに決算公告が必要となりますし、官報に掲載する場合、毎年6万円の掲載料が必要です。
また、役員の任期が最長10年なので、10年に一度は改選手続き&重任登記をしなければなりません。
合同会社は役員の任期もありませんし、決算公告の義務もありません。
ランニングコストが安く・手間も少ないのは嬉しいポイントです。
合同会社は株式が発行できず、株式会社よりも社外的な信用度が低いというデメリットがありますが、税制などは基本的に同じです。
家族経営や小規模事業であれば、合同会社を選ぶほうが費用面でのメリットは大きいでしょう。
合同会社設立のメリット・デメリットに関する詳しい内容は、合わせて以下の記事を確認してください。
関連記事:合同会社設立のメリット・デメリットは?株式会社より合同会社がおすすめのケースも解説
合同会社は、会社設立手続きも非常にシンプルです。
①定款を作成する
合同会社の定款は、株式や株主総会などがないので、株式会社と比べてシンプル。
作成後に定款認証をする必要もないので、その分手間がかかりません。
②登記書類を作成する
作成する書類は、基本的に「設立登記申請書」「払込証明書」「印鑑届出書」「代表者印就任承諾書」「本店所在地及び資本金決定書」の5種類のみです。
③法務局に登記申請をする
法務局に書類を提出した日が、会社設立日になります。
窓口申請だけでなく、郵送での申請も可能です。
④税務署等に開業の届け出をする
税務署・都道府県税事務所・市町村役場に法人設立届出書を提出します。
また、従業員を雇用する場合は、労働保険や社会保険の手続きを関係機関(労働基準監督署・公共職業安定所・年金事務所)に行いましょう。
合同会社設立の流れ・手順・ポイント・スケジュールに関する詳しい内容は、合わせて以下の記事を確認してください。
関連記事:合同会社設立の流れを手順・スケジュールに沿って解説!株式会社設立との違いも
会社設立というと、「株式会社」を設立すると思い込みがちです。
しかし、簡単に・安く会社設立したい場合には、「合同会社」を選択することが金銭的なメリットになります。
起業・開業を志したら、どのような形の会社を設立するのかも戦略的に考えてみてください。
定款認証を行なう際に、紙の定款で行なうと4万円の収入印紙が必要ですが、電子化された定款で認証を受けるとこの4万円を節約できます。
電子定款を導入するためには
といった初期投資が必要ですが、一度導入すれば会社設立後も使えます。
そして、株式会社は決算公告が義務付けられていますが、電子公告を選択すると官報での公告に比べて年間6万円節約できます。
会社法の改正により、資本金1円からでも会社設立できるようになりました。
とはいえ、資本金は当面の運転資金ですからあまり少なすぎても現実的ではありません。
そこで基準として覚えてほしいのが1,000万円です。
資本金が1,000万円未満であれば、初年度と2年目は消費税を支払わなくて良いからです。
会社設立時の資本金の決め方に関する詳しい内容は、以下の記事を確認してください。
関連記事:株式会社設立時の資本金はいくらにする?後悔しない資本金の決め方
関連記事:合同会社設立時の資本金はいくらにする?最低額や平均額・決め方を紹介
会社設立には、時間もお金もかかります。
しかし、上手く工夫することで時間やコストを節約し、スムーズに事業を始めることができます。
起業・開業を志した際は、会社形態の選択(株式会社・合同会社)や業務のアウトソーシングの有無など多角的な視点から、自分たちにとって一番お得に会社設立する方法を見つけてください。
また、会社設立手続きは、複雑で難しい手続きと思われるかもしれません。
しかし、決めるべき内容と必要書類さえ準備してしまえば、問題なく個人でも対応できます。
ただし、起業時の忙しいタイミングにおいて、会社設立メンバーの時間は何よりも貴重です。会社設立手続きに忙殺される余裕はありません。
会社設立の手続き作業はたった1回のみ。
そのような手続きに時間を取られてしまうより、会社設立手続きを税理士などの専門家に丸投げして、浮いた時間や労力を事業のために使う方が、全体的に見たら大きなコスト削減に繋がることもあります。
今は安価で会社設立手続きを行ってくれたり、会社設立・起業後の創業融資・資金調達の相談や経理代行なども対応してくれたりする税理士・会計事務所も多くあります。
そういった外部の専門家にアウトソーシングすることも是非検討されてみてください。